「人手不足を解決したい」「原因と対策を教えて欲しい」
このようにお考えではないでしょうか。
本記事では「日本の人手不足が加速する原因、人手不足の現状、解決に向けた企業の人手不足への取り組み」を紹介しています。
経済活動の再開に伴い、多くの業種・業界が人手不足に頭を悩ませています。企業は、人材不足が深刻な問題になっている現状を正しく理解し、原因を追求した上で適切な対策を講じることが必要です。
日本の人手不足が加速する3つの原因
日本の人手不足の主な原因は以下3つです。
- 少子高齢化
- 新しい働き方の登場
- 15歳から64歳までの人口が減少
それぞれ具体的なデータをもとに解説していきます。
原因1:少子高齢化
人手不足の大きな原因のひとつは、少子高齢化です。
総務省の調査(※1)によると、日本の総人口は2008年(1億2808万人)をピークに、2011年以降は一貫して減少しています。
2022年の現状は以下です。
我が国の総人口(2022年9月15日現在推計)は、前年に比べ82万人減少している一方、65歳以上の高齢者(以下「高齢者」といいます。)人口は、3627万人と、前年(3621万人)に比べ6万人増加し、過去最多となりました。
統計局ホームページ
原因2:新しい働き方の登場
フリーランスや、単発・短時間で働くギグワークなど、新しい働き方が登場したことも人手不足の要因のひとつ(※2)と考えられています。
2019年8月のGakkenの調査(※3)によると、子供に将来の夢の第2位は「YouTuber」でした。正社員として定年まで勤めるという働き方は、今後段階的に減少していく可能性が考えられます。
実際、2022年(1-9月)上場企業「早期・希望退職」実施状況 : 東京商工リサーチ(※4)では、「中堅規模で目立つ“早期・希望退職”募集と、大企業の人員施策の“二極化”が鮮明になってきた」と報告されています。
原因3:15歳から64歳までの人口が減少
2015年頃から労働力人口、就業者数ともに緩やかに増加傾向していますが、15歳から64歳の人口は大幅に減少しています。
企業が求める若い世代の労働人口が減っているため、採用が困難と感じる企業が今後も増加すると予想されます。
企業の人手不足の現状
人手不足の現状はどうか?企業の規模や業界によって異なります。
人手不足は中小企業で顕著
厚生労働省の調査データ(※5)によると、2021年の解雇等見込み労働者数は、5月12,949人のをピークに減少傾向に転じています。
つまり、失業者が減り人材の流動性がなくなることで、人手不足の状況はしばらく続くと考えられます。
2019年までのデータ(※6)を見ると、人手不足感が高まっており、特に中小企業で顕著です。
人手不足が問題になっている業種・業界
具体的にどの業種・業界が人手不足か?
- IT業界
- 医療業界
- 建設業界
- 介護業界
- 運送業界
- サービス・飲食業界
IT業界
IT業界は、人手不足から長時間労働が問題(※7)になっています。
政府によるテレワークの推進もあって、様々な業種でIT化が進んでいます。
需要に対して、経験やスキルを持った人材が少ないです。
医療業界
2021年、医療現場は深刻な人手不足に陥りました。
政府は、「2035年、日本は健康先進国へ」と新たなビジョン(※8)を掲げています。
後述しますが、少子高齢化社会で医療業界の需要は上がっていくので、今後も人手不足が続く可能性が高いです。
建設業界
国土交通省の調査データ(※8)によると、建設業界は1997年の685万人をピークに減少。
直近は、横ばい傾向にあります。
維持・管理費は、2033年に約4.6〜5.5兆円と推測されるため、今後も人手不足が続くと予想できます。
介護業界
介護業界では、人手不足から経営が困難になっているところも少なくないです。
厚生労働省老健局の調査データ(※10)によると、介護関係の職種の有効求人倍率は高い水準で推移しています。
離職率が低いものの、「採用が困難である」と回答した事業者は88.5%に上ります。
運送業界
運送業界は、オンラインでの買い物の増加に伴い世界的に人材が不足しています。
国土交通省の調査(※11)によると、物流分野における労働力不足が近年顕在化。
2017年は、63%の企業が「不足」または「やや不足」と回答。
企業の人手不足対策
一般的な人手不足の対策を2つ紹介します。
- クラウドソーシングを活用
- ギグワーカーを活用
対策1:クラウドソーシングを活用
IT業界の人手不足を解消するには、インターネット上で仕事を受発注できるクラウドソーシングを活用するのも手です。
活用するメリットは以下です。
- 正社員の給料に見合わない簡単な作業の発注できる
- 自社では難しい専門的な仕事の発注できる
対策2:ギグワーカーを活用
人手不足を解消する方法として、ギグワーカーの存在は見過ごせません。
ギグワーカーを活用するメリットは以下3つです。
- 即戦力が見つかる
- 正社員を雇うよりも賃金が安い
- 専門性の高い仕事を単発・短時間で依頼可能
企業が人手不足を解決する手順
まず最初に、企業が人手不足問題をどのように解決したらよいのか、大まかな流れを解説します。
日本の人手不足問題の現状を把握。
日本が人手不足になった原因を理解する。
実際に人手不足を解決できた企業の実例を学ぶ。
自社に最適な解決策を実行。
人手不足を解消に向けた企業の取り組み
最後に、人手不足の解消に向けた企業の取り組みを紹介します。
ロボットの活用
経済産業省の中にあるコンビニ業界初の無人陳列ロボット。
ロボットが店員の代わりに飲料水などの商品の在庫を管理、自動で陳列してくれるので、コンビニの人手不足の解消が期待されています。
ファンと一緒にお店を作る
アールキューブが運営する「肉汁水餃子 餃包 六本木交差点」。
お客が店の手伝いをすることで飲食量が0円になるプランのモニター募集を2021年11月より開始(※11)。
こちらは実験中とのことですが、実現すればギグワークに続く新しい働き方になるかもしれません。
人手不足問題を解消するには仕組み作りが必要
今回は、日本の人手不足問題の現状、企業の人手不足問題の原因と対策を実例をもとに解説しました。
人手不足は一企業だけが抱えている問題ではありません。
社会全体が人手不足に悩まされなくて済むような仕組みづくりが今求められているのではないでしょうか。
本記事が、人手不足を解消するきっかけになれば幸いです。
参照リンク
(※1)https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1191.html
(※2)https://speakerdeck.com/lancers_pr/huriransushi-tai-diao-cha-2021
(※3)https://www.gakken.co.jp/kyouikusouken/whitepaper/201908/index.html
(※4)https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20221101_02.html
(※4)https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000849992.pdf
(※5)https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-2-2-1.pdf
(※6)https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shigoto/it/
(※7)https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/hokeniryou2035/future/
(※8)https://www.mlit.go.jp/common/001149561.pdf
(※9)https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000531297.pdf
(※10)https://www.mlit.go.jp/common/001258392.pdf
(※11)https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2111/05/news071.html